FX取引に関連する為替市場は土日を除くほぼ24時間取引できますが、東京市場・ロンドン市場・ニューヨーク市場の取引があり、取引が活発になる時間帯があります。
各市場のオープン・クローズ時間近辺では、相場の流れが変わったり、特徴的な値動きがあったりしますので各取引時間はしっかり抑えておく必要があります。
関連して海外ではサマータイムなどもあり、時期によって若干取引時間が変わったりもしますので、FX取引時間について以下の点をまとめました。
- 冬時間の各市場の時間と値動き
- サマータイムの各市場の時間と値動き
- 時間帯を活用したトレード方法
初心者の人や取引時間の変わり目は混乱してしまうこともあるので、ぜひ参考にしていただければと思います。
それでは見ていきましょう!
冬時間(標準時間)のFX取引時間や各市場の動き
- 全市場(東京・ロンドン・ニューヨーク・オセアニア)
冬時間は標準時間なので、全市場で適用されます。
あくまでサマータイムが例外なので、サマータイムが適用されていない期間やサマータイムを採用していない市場は冬時間となります。
そのため、サマータイムのない東京は基本ずっと冬時間(標準時間)となります。
冬時間の期間
サマータイムのある米国や英国、オーストラリアでは、サマータイムの適用期間外の以下の期間で冬時間が適用となります。
- アメリカ:11月第1日曜日の翌日~3月第2土曜日
- ロンドン:10月最終日曜日の翌日~3月最終日曜日の前日
- オセアニア:10月第1日曜日の翌日~4月第1土曜日
- 東京:通年(サマータイムなし)
冬時間のFX取引時間と取引できない時間
FXの冬時間の取引できる時間をXMを例に見ていくと以下のようになります。
- 7:05 – 翌6:50
- 7時台はスプレッド広め
基本的に朝の7時に営業日が切り替わり、7時から8時までの間はスプレッドが広く取引に向いていません。
冬時間の各市場の取引時間・注目の時間
冬時間における各市場の取引時間やFXで重要な時間帯は以下のようになります。
- 東京オープン:9時
- アーリーロンドン:16時
- ロンドン・オープン:17時
- 米国経済指標が多い時間:22時30分・24時
- ニューヨーク・オープン:23時30分
- ニューヨーク・オプションカット:24時
- ロンドンフィックス:25時(深夜1時)
- ロンドンクローズ:27時(深夜3時)
- ニューヨーククローズ:7時
個人的に注目することが多いアーリーロンドンは16時から、ロンドン勢のスタートは17時です。
ロンドンフィックスは25時となり、24時台がロンドンフィックスに向けて値動きが加速していきます。
ロンドンフィックスの意味やトレードへの活かし方は以下の記事で紹介しています。
FXに関連する用語に「ロンドンフィックス」があります。 ロンドンフィックスは東京時間の仲値のようなもので、実需と関連し為替レートに影響を与えるものです。 ロンドンフィックスを知らずにFXに参加していると思わぬ痛手を追うこともある[…]
サマータイムのFX取引時間や各市場の動き
- ニューヨーク
- ロンドン
- オセアニア
上述した通り、東京はもともとサマータイムを採用しておらず、サマータイムが適用されるのはニューヨーク市場、ロンドン市場とオセアニア市場です。
夏時間が開始・終了するタイミングは国によって微妙に異なるため、適用前後の時期は注意する必要があります。
サマータイムの期間
- アメリカ:3月第2日曜日~11月第1日曜日
- ロンドン:3月最終日曜日~10月最終日曜日
- オセアニア:4月第1日曜日~10月第1日曜日
- 東京:サマータイムなし
サマータイムはアメリカが3月の第2日曜から、ロンドンが3月最終日曜日から、オセアニアでは4月の第1日曜からとなっています。
国によって開始日が異なるのがややこしいですね。
なお、オセアニアでは南半球で季節が逆なので、サマータイム開始とともに取引時間が1時間遅くなります。
2024年のサマータイム開始日
なお、2024年のサマータイム開始日は以下のようになっています。
- アメリカ:3月10日
- ロンドン:3月31日
- オセアニア:4月7日
アメリカは日曜日からサマータイムが始まりますので、FXでは3月11日取引分からサマータイムでの取引時間となります。
サマータイムのFX取引時間と取引できない時間
先ほど同様XMを例にサマータイムの取引時間を見ると以下のようになります。
- 6:05 – 翌5:50
- 6時台はスプレッド広め
サマータイムは基本1時間早くなり、6時から取引可能ですがスプレッドが広く、7時から本格的にトレードできるようになります。
サマータイムの各市場の取引時間・注目の時間
サマータイムの各市場のオープン・クローズや重要な時間帯は以下のようになります。
- 東京オープン:9時
- アーリーロンドン:15時
- ロンドン・オープン:16時
- 米国経済指標が多い時間:21時30分・23時
- ニューヨーク・オープン:22時30分
- ニューヨーク・オプションカット:23時
- ロンドンフィックス:24時(深夜0時)
- ロンドンクローズ:26時(深夜2時)
- ニューヨーククローズ:6時
サマータイム時は東京市場のイベント以外がすべて1時間早まる形になります。
上述した通り、サマータイムの開始日は国によって微妙に異なるため、一部の国だけがサマータイム適用期間には冬時間と夏時間が入り乱れることになるため注意が必要です。
時間帯を活用したトレード方法
為替市場では時間帯によって値動きの特徴が出やすくなっていて、それぞれの特徴をつかんでおくと立ち回りがしやすくなります。
時間帯による値動きの特徴
- ロンドンフィックス:実需が入ってきやすく相場の流れを無視した値動きをしやすい
- 各市場クローズ前1時間:手仕舞いから相場の流れが少し逆に動きやすい
- 市場スタート:それまでの流れが変わりやすい
- アーリーロンドン:だましの動きをしてきやすい
ロンドンフィックスは東京時間でいう仲値のようなもので、基準の価格が決まる時間です。
そのため、それにあわせて貿易会社など実需の買いが入りやすく、様々な思惑が交錯して値動きが大きくなります。
実需が入ることで相場の流れを無視した値動きをしやすく、流れが明確な時に逆行したら押し目のチャンスとなりますのでロンドンフィックス直後にエントリーできるよう準備します。
また各市場のクローズ前にはポジションを閉じる動きが多くなり、それまでの流れとは逆の動きになりやすく、利確や逆張りのチャンスとなります。
さらに東京からロンドンなどメインの市場が移り変わっていく時間帯では、それまでの流れが変わりやすくなっています。
特にロンドン開始前の1時間は「アーリーロンドン」や「ロンドン早出勢」と言われ、クセのある値動きをしやすくダマシとなりやすいので注意が必要です。
時間帯ごとの値動きのトレードへの活かし方
- 市場メイン時間は順張り
- 市場クローズ1時間前に利確・逆張り
- 月末ロンフィクのユーロドル・ポンドドルの買い
これらの時間帯ごとの値動きの特徴を理解して、基本的には各市場スタート後に方向感を把握し、順張りで波に乗ってトレードしつつクローズ少し前に決済をしていくのが基本戦略となります。
また、クローズ1時間前からはそれまでの流れが変わる可能性があるので逆張りを狙っていくことも有効です。
ロンドンフィックスは実需の方向感がわかりそうな時には事前にポジションをとっておき、ロンドンフィックスに向けた値動きで利益を狙うことができます。
特に月末・四半期末・年末・年度末のロンフィクは現地通貨買いでドルストレート通貨ペアの上昇(ユーロドル・ポンドドルの上昇)が起きやすく狙い目です。
また、ロンドンフィックスの値動きの方向感を確認した後に乗っていったり、ロンフィク前の値動きが流れに逆行するものなら押し目として狙うのも有効です。
様々な戦略がありますので、上記を参考に戦略を組まれるのが良いと思います。