こんにちはハルです。明日から9月が始まりますね。
そこで9月にどのような通貨の値動きの特徴があるか、9月のアノマリーや季節要因を調べました。
アノマリーとは、はっきりした理由はないけれどよく当たるパターンや経験則のことです。
あくまで傾向ですが、それ自体が投資家に知られているため値動きの原因となることがあり、知らないと思わぬ損失が出ることがあるので、最近はよくトレードの参考にしています。
基本的なアノマリーや季節要因についてはこちらでまとめていますので、こちらも参考にしていただければと思います。
こんにちはハルです。 FXや株の世界には「8月は円高」「節分天井彼岸底」など、理由はわからないけれど季節や月単位で値動きの傾向が出る「アノマリー」と呼ばれるものがいくつも知られています。 また、大口投資家や企業の決算などの影響か[…]
それでは見ていきましょう!
9月のアノマリー・季節要因
まず9月前後の季節要因を見ていきましょう。
月 | 季節要因・アノマリー | 傾向 | ドル円 |
---|---|---|---|
8月 | 夏枯れ相場・閑散相場 お盆前の輸出企業の円買い(予約注文) 米国債の利払い分の円転 |
円高 | ▼ 円高ドル安 |
9月 | 日本企業の半期決算 輸出企業の予約注文が減ってくる 輸出企業のオーバーヘッジの円売り (出しすぎた予約注文の買い戻し) 9月の最終営業日にドル買いが出やすい |
円安 ドル高(最終営業日) |
▲ 円安ドル高 |
10月 | 頭を垂れる稲穂相場 (売り一巡後、買い先行) 10月効果で米株の急落が多い |
円安 | ▲ 円安ドル高 |
11月 | 海外企業の年度末決算 米企業の決算 為替市場の流動性が低下し始める (収益の確定と新規取引の手控え) |
ドル高 | ▲ 円安ドル高 |
9月は日本企業の半期決算や海外企業の四半期決算があります。
決算に向けてレパトリの動きはありますが、8月の輸出企業の予約注文(円買い)が減ってきて、輸入企業の円売りが優勢になり円安になりやすい月と言われています。
また9月の最終営業日にはドル買いが出やすくなり、季節要因を素直にとらえるとドル円は上目線となります。
最終営業日はゴトー日と重なるので、この日の仲値トレード(10時に向けての仲値の上昇)はかなり上昇しそうですね。
9月の通貨別騰落率
次に実際の9月の通貨別の騰落率を見てみます。
マネースクエアのレポートを見ると、1998年から2020年までの22年間ではドル円・豪ドル円・NZドル円の騰落率は0%近くになっています。
(レポートでは8月が強調されていますが、9月を見ています。)
出典:マネースクエア
長期の騰落率で見ると、9月はほぼトントンでカナダドル円が少しプラスという感じでしょうか。
2020年9月の通貨別騰落率
また、外為どっとコムの通貨騰落率で昨年(2020年)分を見ると・・・
出典:外為どっとコム
- ドル円:-0.44%
- ユーロ円:-2.23%
- ポンド円:-3.78%
- 豪ドル円:-3.3%
- NZドル円:-2.14%
ドル円はあまり動いていませんが、その他のクロス円は軒並み下落しています。
pipsで言うと、200-300pipsは動いているでしょうか。
上記は昨年のデータなのであまり参考にならないかもしれませんが、言うほど円安にはならずフラットに見ておいた方が良さそうですね。
9月の陽線率
最後に9月の陽線率を見ていきましょう。
為替天気予報というサイトをもとに、各通貨ペアの過去20年の陽線と陰線の回数および陽線率を記載します。
通貨ペア | 陽線回数 | 陰線回数 | 陽線率 |
---|---|---|---|
ドル円 | 10 | 10 | 50% |
ユーロ円 | 12 | 8 | 60% |
ポンド円 | 13 | 7 | 65% |
豪ドル円 | 12 | 8 | 60% |
NZドル円 | 12 | 8 | 60% |
出典:為替天気予報
月足を見た時に陽線となった年と陰線になった年どちらが多いかというデータですが、どの通貨でも陽線率は50%超えをしていて、たしかに円安優勢が見て取れます。
特にポンド円の陽線率は65%と高く、ユーロ円・豪ドル円・NZドル円も陽線率は60%と高くなっています。
一方でドル円の陽線率は50%と陽線になる確率は半々という状況です。
陽線率は高いけどフラットに見た方が良さそう
- ドル円の陽線率は半々
- その他クロス円の陽線率は60-65%
- 陽線になる確率は高いけど、下がる時は大きく下がっている
先の騰落率と合わせて考えると、陽線になる確率は高いけど騰落率は0%付近ということで下がる時は大きく下がっているということがわかります。
(騰落率のデータにはユーロとポンドは含まれていませんでしたが)
いずれにせよ大きな季節要因・アノマリーとは言えなさそうなので、フラットにテクニカル分析をしてトレードしていくのが良さそうです。
月末の仲値トレードやロンフィクトレードは旨味がありそうなので、忘れずに参戦したいと思います。
ではでは。