こんにちはハルです。
FXや株の世界には「8月は円高」「節分天井彼岸底」など、理由はわからないけれど季節や月単位で値動きの傾向が出る「アノマリー」と呼ばれるものがいくつも知られています。
また、大口投資家や企業の決算などの影響から決まった時期にで為替が大きく動くこともあり、「季節要因」もトレードに大きく影響します。
知らずにトレードしていると大怪我することもあるので、忘れないように有名なアノマリーや季節要因をまとめましたので、ぜひ参考にしていただければと思います。
それでは見ていきましょう。
FXの季節要因・アノマリーまとめ
各月の季節要因や有名なアノマリーとそれによる各通貨の売り買いの傾向をまとめると以下のようになります。
あくまで傾向なので必ずそのようになるわけではありませんが、なんとなく毎年どのような動きをしているかわかるかと思います。
月 | 季節要因・アノマリー | 傾向 | ドル円 |
---|---|---|---|
1月 | 海外企業の年度初め(ドル売り円買い) ドル円のレートがその年の高値になりやすい 新年相場による株高 |
ドル安 円安 |
▼ 円高ドル安 |
2月 | 日本企業のレパトリ円買い (海外市場での利益の円転) 節分天井彼岸底(2月前半から株安) |
円高 | ▼ 円高ドル安 |
3月 | 日本企業の決算月 日本企業のレパトリ円買い (海外市場での利益の円転) 海外投資家の株買い・円売り 節分天井彼岸底(3月後半まで株安) |
円高 ドル高(最終営業日) |
▼ 円高ドル安 |
4月 | 日本企業の年度初めの新規資金流入 新年度相場による株高 日本の機関投資家の運用開始 ポンド買いの陽線確率が80%以上 |
トレンドの反転 円安 ポンド高 |
▲ 円安ドル高 |
5月 | 株のSell in Mayで株売り・円高 ゴールデンウィークの円高 |
円高 | ▼ 円高ドル安 |
6月 | 欧米の中間決算 日本企業のレパトリ円買い |
トレンドの反転 (特にユーロドルが反転) 円高 |
▼ 円高ドル安 |
7月 | サマーラリーによる株価上昇 | 円安 | ▲ 円安ドル高 |
8月 | 夏枯れ相場・閑散相場 お盆前の輸出企業の円買い(予約注文) 米国債の利払い分の円転 |
円高 | ▼ 円高ドル安 |
9月 | 日本企業の半期決算 輸出企業の予約注文が減ってくる 輸出企業のオーバーヘッジの円売り (出しすぎた予約注文の買い戻し) 9月の最終営業日にドル買いが出やすい |
円安 ドル高(最終営業日) |
▲ 円安ドル高 |
10月 | 頭を垂れる稲穂相場 (売り一巡後、買い先行) 10月効果で米株の急落が多い |
円安 | ▲ 円安ドル高 |
11月 | 海外企業の年度末決算 米企業の決算 為替市場の流動性が低下し始める (収益の確定と新規取引の手控え) |
ドル高 | ▲ 円安ドル高 |
12月 | 欧米の休暇により相場の流動性が低下 米企業の決算 NZ乳製品が好調で貿易黒字 |
ドル高 NZドル高 ゴールド高(~クリスマス前) |
▲ 円安ドル高 |
季節・月ごとのFXアノマリー
続いて月ごとのFXアノマリーをそれぞれ見ていきましょう。
1月
1月は海外企業の年度初めとなり、円資産への資金流入が起こりドル売り円買いが起こりやすくなります。
また、株式市場は「1月効果」と言われ、新年相場により株高になりやすい月と言われています。
結果リスクオンの円安になりますが、上述した海外企業の年度初めのドル売りや円買いが強くドル円は下落する傾向にあります。
2月
2月は中国の正月である春節があり、春節とその後1週間程度が春節休みとなり大型連休に入ります。
結果、春節前にはポジション手仕舞いがあり、春節中はアジア時間の流動性・ボラティリティが低くなります。
さらに春節休み明けの買い戻しには注意が必要です。
- 2022年:2月1日
- 2023年:1月22日
- 2024年:2月10日
- 2025年:1月29日
- 2026年:2月17日
また、日本企業の決算月である3月を前に、日本企業が海外市場であげた利益を円転するレパトリエーションがあることが多いです。
日本企業の利益(外貨)→日本円
となるので、円買いが起こりやすく円高になりやすいと言われています。
あと、「節分天井、彼岸底」という株の名言があり、
節分(2月頭)が天井になることが多い=2月に株が下がりやすい
ことを意味しています。
株安が進むことで、リスクオフの円高・ドル高・フラン高が進みやすい月でもあるといえます。
3月
3月は日本企業の決算月となり、日本企業のレパトリの円買いが多くあり円高が進みやすくなっています。
また株の有名な格言で「節分天井彼岸底」があり、3月後半までは株安が進みやすくなり、その点からも円高が進みやすくなります。
一方、3月の最終営業日やゴトー日と月末が重なる3月30日には仲値を中心にドル高が進みやすくなり、ドル円は一時的に大きく上昇することがあります。
3月30日や3月31日の仲値決めの時間である9時50分前にドル円が大きく上昇することになるので、1年で最も仲値トレードが機能する時期と言えるでしょう。
逆に10時を超えると反動で円高になる動きも大きく、トレードにはより時間軸を意識する必要があります。
4月
4月は日本企業の年度始めとなり新規資金が流入しやすくなります。機関投資家やファンドが新規のマネーを投じてくるので株が上がり株高による円安傾向が強まります。
また、アメリカ人投資家など海外投資家による買いも日本株の上げ要因となります。
米国では4/15に税還付があり、多くの資金がアメリカ国民に還付されその一部が株式市場などにも流入します。
さらに日本では4月下旬からGWが始まるため、海外旅行のためのドル需要が高まりドル買いが出やすいです。
日本企業も大型連休前のドル需要を見込んで輸入企業を中心にドル買いを強める傾向があります。
総じてドル買いの動きが強くなり、ドル高円安が進みやすい月と言えます。
5月
5月は株の格言で「Sell in May(株は5月に売れ)」があり、格言通り株売りが起こりやすくそれに伴う円高も起こりやすくなります。
4月が新年度で株が上がりやすくなるので、その反動もあるのかもしれませんね。
またGW中には東京時間の取引が薄くなるため、その時間を狙った円買いの仕掛けなどが入りやすく、ゴールデンウィークは円高になりやすいアノマリーがあります。
全体的に円高に注意が必要な月といえます。
6月
準備中です。
7月
準備中です。
11月
11月のFOMC終了あたりから年内最後のイベントを終えるとレパトリの動きが加速していきます。
これまでの相場の流れが変わる可能性がある点には注意が必要です。
そのため、11月のFOMCでは結果を受けて一旦は素直な値動きをしつつも利益確定で一気に逆の動きになることもあります。
感謝祭(11月の第4木曜日)を通過すると本格的に年末で海外勢の多くは休みに入ります。
12月
12月になると相場の参加者が一気に減り流動性が低下します。
年末年始に向けて保有ポジションを整理する動きも出ますので、急な値動きに注意が必要です。
プロの世界ではトレーダーの多くは休みに入り、12月にトレードしているのは負け組トレーダーと言われることもあるので、無理に勝負する局面ではありません。
また、12月はニュージーランドドルが上がりやすいアノマリー(乳製品需要増など)があり、NZドル円やNZドルドルなどをロングで攻めてみるのも良さそうですね。
ただ、アノマリーはあくまで上がりやすいくらいのものですので、負けた時の虚無感というか学びのなさが結構あります。
あくまで一つの参考として、他の為替要素などを加味して勝負するのが良さそうですね。
日付・曜日などその他のFXアノマリー
準備中
まとめ
FXで使えるアノマリーや季節要因を見てきました。
再度、季節要因とアノマリーをまとめた表を掲載しておきます。
月 | 季節要因 | 傾向 | ドル円 |
---|---|---|---|
1月 | 海外企業の年度初め(ドル売り円買い) ドル円のレートがその年の高値になりやすい 新年相場による株高 |
ドル安 円安 |
▼ 円高ドル安 |
2月 | 日本企業のレパトリ円買い (海外市場での利益の円転) 節分天井彼岸底(2月前半から株安) |
円高 | ▼ 円高ドル安 |
3月 | 日本企業の決算月 日本企業のレパトリ円買い (海外市場での利益の円転) 海外投資家の株買い・円売り 節分天井彼岸底(3月後半まで株安) |
円高 ドル高(最終営業日) |
▼ 円高ドル安 |
4月 | 日本企業の年度初めの新規資金流入 新年度相場による株高 日本の機関投資家の運用開始 ポンド買いの陽線確率が80%以上 |
トレンドの反転 円安 ポンド高 |
▲ 円安ドル高 |
5月 | 株のSell in Mayで株売り・円高 ゴールデンウィークの円高 |
円高 | ▼ 円高ドル安 |
6月 | 欧米の中間決算 日本企業のレパトリ円買い |
トレンドの反転 (特にユーロドルが反転しやすい) 円高 |
▼ 円高ドル安 |
7月 | サマーラリーによる株価上昇 | 円安 | ▲ 円安ドル高 |
8月 | 夏枯れ相場・閑散相場 お盆前の日本輸出企業の予約注文 米国債の利払い分の円転 |
円高 | ▼ 円高ドル安 |
9月 | 日本企業の半期決算 輸出企業の予約注文が減ってくる 日本の半期末で輸出のオーバーヘッジ (出しすぎた予約注文の買い戻し) 9月の最終営業日にドル買いが出やすい |
円安 ドル高(最終営業日) |
▲ 円安ドル高 |
10月 | 頭を垂れる稲穂相場 (売り一巡後、買い先行) 10月効果で米株の急落が多い |
円安 | ▲ 円安ドル高 |
11月 | 海外企業の年度末決算 米企業の決算 為替市場の流動性が低下し始める (収益の確定と新規取引の手控え) |
ドル高 | ▲ 円安ドル高 |
12月 | 欧米の休暇により相場の流動性が低下 米企業の決算 NZ乳製品が好調で貿易黒字 |
ドル高 NZドル高 ゴールド高(~クリスマス前) |
▲ 円安ドル高 |
アノマリーは原因がわからないものもありますが、多くの投資家が意識しているという点では相場を動かす裏付けになりますし、大口の季節要因は知っていればうまく活用することができます。
毎年アノマリー通りに動くわけではありませんが、「そうなる確率が高いだけ」でだめな年は損切りしていくことで数年単位ではうまく利益を出していくことができます。
最低限、知らずにアノマリーとは逆のポジションを持って大怪我を避けることができるので、アノマリーや季節要因を抑えるのは重要ですよね。
ついつい忘れてしまうので、毎月こちらのページをチェックして季節要因をうまくトレードに活かしていきたいと思います。
ではでは